福壽堂秀信のこだわり


常においしい餡を炊くためには、職人はまず素材の目利きができなくてはなりません。
品質の良い小豆を手に入れることがまず第一歩なのです。
次に餡を炊く際には、小豆を水に浸す時間や水分量を日々の気温・湿度に合わせて調節し、
さらにアクを取るための渋切りの見極めが重要になってきます。

製餡(粒餡) 一日目

はじめに小豆を一晩水に漬けおきします。

季節、水温によって職人が水分量や、浸す時間を

見極めて調節します。

 

製餡(粒餡)2日目

小豆の煮汁のことを「しぶ」といい、小豆の風味を阻害する渋成分を前炊きで取っていきます。
この渋切りの見極めが粒餡の味を決めると言っても過言ではありません。
それほどに重要な工程となります。

渋切りが終わればいよいよ本炊きです。
ふっくらとした小豆が炊き上がり、蜜漬けして一晩糖分を浸透させます。

 

製餡(粒餡)2日目

蜜漬けしていた小豆を餡に炊き上げます。
炊き上がった餡を冷暗所で寝かせ、味を落ち着かせます。

このようにして手間をおしまず炊き上げた小豆が
濃厚な風味で上品な甘さの粒餡になります。

 

福壽堂秀信のお菓子は餡が美味しい

自家製餡だからこそ
商品ごとの特長をいかした餡が炊きあげられます。

 

製 菓


当店のお菓子は職人が手間をおしまず手作りしています。
定番の焼菓子や蒸菓子、羊羹など職人の手で日々美味しい味が作りだされています。
その為には原材料の計量や管理、製菓道具の正しい使い方とその熟練、
商品に合わせた糖度、粘度などをひとつずつ見極めて調製しなければなりません。
例えば薯蕷饅頭であれば、生地の配合や蒸し加減を少しでも誤れば
ふっくらとしたおいしい商品にはなりません。
職人が繊細な気配りで作り上げる当店の薯蕷饅頭は他に比べ、
はるかにおいしい商品に仕上がっているのです。

上生菓子

練り切り

白生餡に砂糖、山の芋や餅粉を加え、よく練りながら炊き上げます。
この練り切りに色合いを付け、四季折々の花姿や風物をかたどる繊細な細工をほどこし、

茶席や祝儀で使う上生菓子を作ります。

きんとん

元々は、唐菓子の「こんとん」が変化したものだといわれています。「こんとん」は、練った小麦粉に砂糖や飴を入れたものです。今のような上生菓子のきんとんの姿になったのは江戸時代の半ば頃だといわれています。

芯にする餡にそぼろ状の餡を箸で取り、まわりにうえこむようにして形をつくり、

四季折々の光景を微妙な色使いで表現する上生菓子です。

外郎

外郎(ういろう)は、うるち米、もち米などの米の粉に砂糖を加えて蒸したお菓子です。和菓子屋では生菓子の素材のひとつとして使います。(上生菓子に使うときは、葛を配合して上品に仕上げるときもあります)もっちりとしていながら、あっさりと滑らかな味わいをしているのが特徴です。

薯蕷

当店の薯蕷饅頭は山芋の中でも特にねばりの強いつくね芋を擦りおろし、

米粉と砂糖を合わせた生地で餡を包み、ゆっくりと蒸し上げます。
蒸すとふわっとした食感に仕上がり、上品で柔らかい薯蕷饅頭となります。
薯蕷饅頭を食べるとその和菓子店の力量が判ると言われます。

技術伝承

工芸菓子とは山水花鳥などの自然風物を写実的に、しかも芸術性豊かに表現します。
その始まりは江戸時代の元禄~享保の頃、大奥で鑑賞された「献上菓子」と言われています。
明治時代になり、白砂糖が輸入されてから打ち菓子や有平糖に色や形を加えるようになりました。
その後、京都を中心とした和菓子職人が技術を磨き、現代のような工芸菓子が作られるようになりました。

現代の工芸菓子の材料・製法は多岐にわたりますが、一般的には「雲平生地」という砂糖と、
餅粉(寒梅粉)を混ぜて練り上げた生地を用います。
例え小さな作品でも、製作者に幅広い知識や洗練された技量がないと鑑賞に値する作品は出来ません。